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つれづれなるままに、日ぐらし硯にむかひて、心にうつりゆくよしなし事を、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそ物狂ほしけれ。
花は盛りに、月は隈なきをのみ見るものかは。雨に向ひて月を恋ひ、暮れがたき夏の空にほととぎすの声を待つ。咲きぬべきほどの梢、散りぬべきほどの花の色を見て、よその人は、枝をたわめて折ることをせず。さしも心ある人にて、木のもとに立ち寄りて、花を眺め、枝を折らずして帰るは、いとめでたし。
世の中にある人とすみかとの、よく調へたるこそ、よきなれ。すみかのさまのことごとしきは、ことに見ぐるし。草の庵こそ、よろづに心のとまりたるところはあれ。つくろひたるすまひは、あいなきにや。